大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)5301 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人及び弁護人檜山秀男の上告趣意は、末尾添付の書面記載のとおりである。

被告人の上告趣意は、事実誤認又は単なる法令違反の主張であり、弁護人檜山秀

男の上告趣意第一点は、単なる法令違反の主張、同第二点は判決後に刑の廃止があ

つたという主張、同第三点は、量刑不当の主張であつて、いずれも刑訴四〇五条の

定める適法な上告理由に当らない(原判決は本件小麦粉の輸送が弁護人論旨第一点

所論のような事由によるものであるとは認めていないのであるから、所論は事実認

定の非難に帰着する。また、昭和二七年五月三一日農林運輸省令第二号により同年

六月一日以降小麦粉の移動禁止が解かれたことは所論のとおりであるけれどもそれ

が刑の廃止に当らないことについては、すでに当裁判所の判例とするところであつ

て、これを変更する必要を認めない―昭和二四年(れ)二四七一号同二六年三月二

二日第一小法廷判決、昭和二八年(あ)一一一一同二九年一月一六日第二小法廷判

決、昭和二七年(あ)四二三五号昭和二九年二月一六日第三小法廷判決)。なお、

本件には刑訴四一一条を適用すべき事由も認められない。

よつて、刑訴四一四条、三八六条一項三号、一八一条により主文のとおり決定す

る。

この決定は、裁判官井上登同小林俊三の後記少数意見を除くほか裁判官一致の

意見によるものである。

裁判官井上登同小林俊三の意見は、被告人の判示行為は小麦粉の移動禁止が解か

れた以上、犯行後に刑の廃止があつた場合に当ると解すべきであるから免訴の言渡

をなすべきであるというのである。なお、裁判官井上登の意見の詳細は、昭和二三

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年(れ)八〇〇号同二五年一〇月一一日大法廷判決において述べたところと同趣旨

であるから、これを引用する(判例集四巻一〇号一九八九頁)。

昭和二九年三月二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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